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Q 事業を開始してから、5年ほど経った。売り上げはまずまずだが、相変わらず、「資金繰り」は苦しい。
毎月、給料の支払日はやってくるし、もちろん仕入代金や諸経費の支払に頭が痛いのですが・・・。

A売り上げが特に減少しているわけではないのに、毎月の取引先への支払や給料の支払には頭を抱えてしまう。多くの経営者が経験していることでしょう。

『資金繰り』が苦しい」という言葉は、よく耳に入ったり口に出すことがあります。 それでは「『資金繰り』が苦しい、悪化する」というのは、どういう時に起こるのでしょうか?
これは、主に「売上代金の回収」と「仕入代金の支払」の時期がズレること(収支のズレ)から生じるのです。
取引サイクルは、「売上代金の回収」と「仕入代金の支払」の2つの流れからなります。
資金繰りをラクにするには、売り上げ時期と代金回収時期のズレを極力短くすることです。

つまり、売り上げから入金までの期間(回収サイト)を短くする。
さらに、仕入れてから支払の期間(支払サイト)まで長くする。

ことがポイントです。
例えば、ある製造業の収入と支出の流れを次の図で見てみましょう。


このケースでは、入金(代金回収)までには3つのステップを経て、5ヵ月後になります。

一方、支払いは、原材料を仕入れてから、3ヵ月後に行なわれています。

これが<収支のズレ>となって、資金繰りに苦しむ要因となるので、このような事態を見越して資金計画をたて、慎重な資金管理が必要となります。また、製造期間を短縮することで収支のズレを圧縮し、資金繰りを良化させることができるのです。

ところで、もっとも計画がたてにくいのは、開発型の事業です。この場合、長期の開発工程を経た後に、製造工程に入ります。新規に事業を始めた場合には、長期にわたってまったく売り上げが上がらないこともあります。

開発・製造期間の短縮を図ることも大事ですが、代金回収までの資金の準備が充分であるかを見定めながら、慎重な資金計画と資金管理が特に重要です。


これらに対して、一般に小売業は現金商売なので、収支のズレは、商品の回転を早くすることにより、限りなくゼロに近づけることができ、資金繰りの改善が見込めるのです。

また、サービス業では、収支のズレについての考え方は少し異なります。仕入に相当する部分がないからです。

強いていえば、サービス業における「仕入」は「ヒト」であり、「人件費」となります。人件費は当月または翌月の現金払いになるので、サービス業では代金回収までに時間をかけるわけにはいかず、回収期間を極力短くする必要があります。

このように収支のズレの水準は、業種・業態によって大きく異なります。

収支のズレを圧縮し、資金繰りを円滑なものにするためには、業種・業態によって異なるポイントをつかんで、代金回収期間を短縮するように努めることが大切となります。

当然、代金を回収する期間を短縮したいと思っていても、小さな会社が大手の企業を相手にする場合、厳しい条件を押しつけられることも日常的にあるでしょう。このようなときには、自社の商品やサービスの優れた面を大いにアピールして、交渉を極力優位に持ち込むこともひとつの方法です。

また、支払の時期を遅らせることも資金繰りを改善するために効果的ですが、仕入額のアップにもつながりかねないので、慎重に進めたいものです。

また、他の資金繰りが苦しくなる主な要因とその効果的な対策としては、次のとおりです。

要 因 対 策
在庫の過多 在庫を整理・減少させる。
売掛金の未収 未収金を早期に回収する。
設備投資の肥大 設備投資を抑制するか売却する。設備の耐用年数と借入金の返済期間の長さを合わせる。
・長期の資金を 短期の借入れでまかなっている
・短期の借入れが複数ある
短期の借入れが複数ある場合には、これを一本化して長期の借入れに切り替える。同時に、毎月の返済額を減らすことにより資金繰りを改善させることが可能。
定期積立金の過重負担 資金使用目的を明確にして、解約可能。ただし、銀行からの融資決定と同時に勧められた場合、銀行との関係を考慮することが必要。
保険料の過重負担 保険の種類にもよるが、資金繰りが悪くなった場合には、解約を検討すべき。ただし、下記の点を考慮する。
・解約返戻金にかかる税金
・付き合いで加入した積立型保険は先方との関係


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