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死亡したペットの葬儀料に法人税 宗教行為と収益事業は別物と判決
● 死亡したペットの葬儀料に法人税
● 宗教行為と収益事業は別物と判決
宗教法人が死亡したペットのために葬儀・供養をして受け取った代金が、収益事業に当たるとして法人税を課せられたことを不服として、税務署相手に争っていた裁判で、名古屋高裁は宗教法人の控訴を棄却した。
| 判決日等 | 名古屋高等裁判所民事第4部 平成18年3月7日判決 |
| 平成17年(行コ)第31号 法人税額決定処分等取消請求控訴事件 |
1 事件の概要
(1)本件は、宗教法人である控訴人が、死亡したペット(愛玩動物)の飼い主から依頼を受けて葬儀や供養等を行う(以下「ペット葬祭」といい、その事業を「ペット葬祭業」という。)などして、金員を受け取ったことに対し、被控訴人から、ペット葬祭業は法人税法(以下、条文を示すときは単に「法」という。)2条13号及び同法施行令(以下「施行令」という。)5条1項各号所定の収益事業に当たるとして、前掲各事業年度(以下「本件各事業年度」と総称する。)における法人税の決定処分及び無申告加算税賦課決定処分(以下、両者を併せて「本件課税処分」という。)を受けたため、ペット葬祭業は宗教的行為であって収益事業に当たらないと主張して、同処分(ただし、異議決定及び審査裁決により一部取消後のもの)の取消しを求めて抗告訴訟を提起したところ、原審は、被控訴人が行うペット葬祭業は収益事業に当たるとし、本件課税処分は適法であるとして請求を棄却したため、これを不服とする控訴人が控訴した事案である。
(2)前提事実、争点及び争点に関する当事者の主張は、後記(3)のとおり当審における主張を付加するほか、原判決「1 事案の概要」の(1)ないし(3)に摘示のとおりであるから、これを引用する。
(3)当審における主張
<控訴人>
控訴人が行うペット葬祭業のうち、僧侶による読経等の純粋な宗教行為については、収益事業に該当しないから、同行為に関して収受した金員は法人税及び無申告加算税の課税対象とはならないところ、別紙「審判所認定収入内訳」(省略)と題する表中「ペット供養料」欄記載の金員のうち火葬料(供養件数1件当たり1750円)を除いた部分、「法要布施収入」、「納骨供養料」、「納骨堂管理料」、「ペット墓地管理料」及び「人間墓地管理料」の各欄記載の金員は、いずれも読経等の純粋な宗教行為に関して収受されたものであるので、本件課税処分のうち少なくとも上記各金員に関する部分は取り消されるべきである。
<被控訴人>
控訴人の上記主張は争う。
2 裁判所の判断のポイント
(1)当裁判所は、控訴人の請求をいずれも棄却した原判決の判断は正当であると判断するが、その理由は、次のとおり訂正し、後記(2)のとおり当審における控訴人の主張に対する判断を付加するほか、原判決「2 裁判所の判断ポイント」に説示のとおりであるから、これを引用する。
A 原判決36頁14行目の「個人墓」を「個別墓」と、20行目の「同5万円」を「5万円」とそれぞれ改める。
B 同46頁11行目の「原告は、」から14行目「行為は、」までを、「控訴人が毎月17日に行う合同の法要(合同供養)は、ペット葬儀という事業の性質上これに付随して行われる行為に該当すると解され、また、初七日法要や七七日法要については、遺骨を納めた飼い主からの依頼に基づいて行われ、あらかじめ定めた金員が支払われるのであるから、」と改める。
(2)当審における控訴人の主張に対する判断
控訴人は、僧侶による読経等の行為が純粋な宗教行為であって収益事業に該当しないから、本件課税処分のうち少なくともこれらの行為に関して収受された金員に関する部分は取り消されるべきものであると主張するが、宗教行為であるか否かによって、直ちに当該行為の収益事業該当性が左右されるものでなく、控訴人が行ったペットの葬儀、遺骨の処理等の行為は、僧侶による読経等を含め、いずれも収益事業に該当すると解されることは前記判示のとおりであるから、控訴人の上記主張は採用できない。
(3)以上によれば、本件控訴は理由がないから棄却することとし、主文のとおり判決する。


