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消費税免税事業者なのに過少申告
● 消費税免税事業者なのに過少申告
● 裁判所が税務署の加算税処分に軍配
税務署が消費税の免税事業者に対して課した加算税賦課決定処分について、裁判所が適法と判決を下した。
| 税目 | 消費税 |
| 国側当事者 | 室蘭税務署長 |
| 判決日等 | 札幌地裁 平成17年11月24日判決 |
| 判決結果 | 国側勝訴(確定) |
1 事件の概要
(1) 甲は、北海道が施行する都市計画事業のために必要な土地に所在する建物を区域外に移転するための移転補償金(以下「本件補償金」)として、2億8000万円受領した。ただし、実際には建物は移転せずに取壊した(12.11.20)。
(2) 甲の死亡により乙らが甲を相続した(14.5.30)
(3) 乙らは、甲の平成14年分消費税について、その基準期間である同12年に受領した本件補償金が課税売上に当たり、課税事業者に該当すると判断し、還付税額を1000万円とする確定申告書を課税庁に提出した(14.9.28)。
(4) 課税庁は、本件補償金は消費税法上の対価補償金には当たらず、甲の平成12年における課税売上高は3000万円以下であるから、甲は平成14年分については免税事業者に該当するとして、甲の平成14年分消費税について更正処分、及び過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件更正処分等」)を行った(15.3.31)。
(5) これに対し乙らは、適法な不服申立手続を経て、本訴を提起した(16.7.29)。
2 争点
(1) 収用に伴い支払われた本件補償金は、消費税法上の課税売上に該当するか否か。(消費税の課税事業者の判定)
(2) 申告時において消費税の課税事業者に該当しない者(納税義務のない者)に対して、過少申告加算税を賦課することの適否。
3 裁判所の判断のポイント
(1) 消費税法施行令2条2項にいう「補償金」とは、原権利者の権利が収用によって消減することの対価として支払われる補償金(対価補償金)に限られ、資産の移転に要する費用の補てんに充てるために支払われる補償金(移転補償金)はこれに含まれないから、本件補償金は、資産の譲渡等の対価とは認められず、よって、甲は平成14年については、消費税の課税事業者とはならない。
(2) 乙らは、仮に甲が消費税法上の課税裏業者に該当しなければ、国税通則法2条5号及び同法65条1項の「納税者」に当たらないこととなるから、過少申告加算税を課すことは許されないと主張するが、申告納税方式の場合、いったん自ら納税義務者として申告を行い、それが有効に成立している以上、結果的に実体上の課税要件事実が発生しなかったというだけで、形成された納税義務者としての地位が否定されるものではないし、本件更正処分によって申告時から滅少した部分の還付金を返還する義務を負ったのであるから、国税通則法上の「納税者」に当たるものと解するのが相当である。
4 参考法令
国税通則法
第2条(定義)(5)、第65条(過少申告加算税)
消費税法
第9条(小規模事業者に係る納税義務の免除)
消費税法施行令
第2条(資産の譲渡等の範囲)(2)


