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HOME裁判判決事例弁護士の夫が税理士の妻に支払った報酬

弁護士の夫が税理士の妻に支払った報酬

● 弁護士の夫が税理士の妻に支払った報酬

● 最高裁が必要経費算入認めず

弁護士である夫が税理士の妻に対して払った報酬が、必要経費として落とせるかどうかで税務署と争っていた裁判で、最高裁が必要経費算入を認めないとした東京高裁の判決を支持した。(平成17年7月5日判決)

税目 所得税(不当利得返還請求事件)
国側当事者 国外1名
判決日等 最高裁判所 平成17年7月5日判決
判決結果 上告棄却(確定)

1 事件の概要

(1)納税者(弁護士)は、妻(税理士)に対して、平成7年分〜平成9年分の各期間に計2,913,500円の税理士報酬を支払い、これを事業所得の計算上必要経費に算入し、各年分の確定申告をした。

(2)課税庁は、所得税法56条の規定により、同税理士報酬は必要経費に算入されないとして、更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を行った(11.1.26)。

(3)納税者は、適法な不服申立て手続を経て、本訴を提起した(13.12.28)。第一審東京地裁(15.7.16)は、納税者の請求を認容し課税庁が控訴していたところ、控訴審東京高裁(16.6.9)は、一審判決を取消し、課税庁が逆転勝訴の判決を言い渡したため、納税者側が上告及び上告受理申立て(以下「上告等」)を行った。

(4)最高裁は、納税者の上告受理申立てを不受理する決定を行い(17.6.24)、上告については棄却する判決を言い渡した(17.7.5)。

2 争点

居住者と生計を一にする配偶者が、居住者とは別の事業を営む場合でも、所得税法56条の規定が適用されるか。

3 裁判所の判断のポイント

(1)所得税法56条の趣旨(最高裁16.11.2判決引用)
所得税法56条は、事業を営む居住者と密接な関係にある者が、その事業に関して対価の支払を受ける場合に、これを居住者の事業所得等の金額計算上、必要経費にそのまま算入することを認めると、納税者間における税負担の不均衡をもたらす恐れがあるため、居住者と生計を一にする配偶者やその他の親族が、その居住者の営む事業所得等を生ずべき事業に従事したことその他の事由により、当該事業から対価の支払を受ける場合には、その対価に相当する金額は、その居住者の当該事業に係る事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入しないものとした上でこれに伴い、その親族のその対価に係る各種所得の金額の計算上必要経費に算入されるべき金額は、その居住者の当該事業に係る事業所得等の金額の計算上、必要経費に算入することとするなどの措置を定めている。

(2)本件へのあてはめ
所得税法56条の趣旨及びその文言に照らせば、居住者と生計を一にする配偶者その他の親族が居住者と別に事業を営む場合であっても、そのことを理由に同条の適用を否定することはできず、同条の要件を満たす限りその適用があるというべきである。

4 参考法令

所得税法
 第56条 事業から対価を受ける親族がある場合の必要経費の特例
 第57条 事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等

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