経営パートナーマッチングサイト-サムライBiZ-

サムライBiZ税金経営に関する専門家を必要とされている方と税理士公認会計士
社会保険労務士行政書士(士業)などを無料でご紹介するポータルサイトです

TOPサイトマップお問合せ士業の方はこちら

サムライBiZ活用法士業って?成約事例士業にお任せ!お悩みQ&Aさむらい、かく語りき 特集コラム士業とのマッチングストーリー

HOMEさむらい、かく語りき「相続時精算課税制度」に落し穴!

「相続時精算課税制度」に落し穴!

(1)景気テコ入れが狙いだが−

相続時精算課税制度が施行されて3年以上が経過。思いのほか使い勝手の良い制度に、ジワジワと人気が高まっているが、適用が増えるにつれ、間違いしやすいポイントが絞られてきた。

相続時精算課税制度は、生前贈与により納めた贈与税の額を、相続税額から控除して精算するというもの。同制度では、65歳以上の親から20歳以上の子供に生前贈与する場合に2500万円の特別控除枠が利用でき、この非課税枠を超える部分にかかる贈与税率は一律20%となる。一定の住宅取得または増改築のための資金を贈与する場合には、「住宅取得資金にかかる相続時精算課税制度」として65歳未満の親からの贈与でも適用できることとし、この場合の特別控除枠は1千万円上乗せされて3500万円になる。いずれも、現行の贈与税基礎控除(年間110万円)との選択制だ。

相続税と贈与税を一体化させて生前贈与を促し、行動範囲が広い若い世代を潤わせることで、消費や投資を活発化させるのが狙いだが、「仕組みが複雑でわかりずらい」という声が多いのもまた事実。大型節税を上手に使いこなすためにも、制度自体の周知が進むにつれて少しずつ整理されてきた疑問点を、いまいちど確認しておきたい。

(2) 2500万円枠は「非課税」じゃない

相続時精算課税制度の特別控除枠について「ひとり2500万円まで無税で贈与できる」と捉えているケースはかなり多いはず。住宅販売会社などが営業トークのなかで「2500万円まで非課税!」などと強調していることも誤解に影響しているようだが、これは大きな間違いだ。

相続時精算課税制度では、過去に生前贈与された資産と相続で新たに取得した資産を合わせて相続税の計算を行い、はじき出された相続税額から過去に納めた贈与税額を差引く仕組み。その際、生前贈与で納めた税金の方が多ければ、その分が還付される。

したがって、この2500万円や3500万円の特別控除は、「相続時まで繰り延べるため、贈与時には非課税」ということであり、決して「無税」ということではない。

相続時精算課税制度の特別控除枠が「受贈者ごと」にあるものと捉えているケースもあるが、これも間違い。同制度における特別控除枠は、「贈与者ごと」に設けられているもの。したがって、両親がそれぞれ3500万円ずつ贈与すれば、計7千万円まで特別控除枠内での贈与が可能となるわけ。つくづくビックな制度だ。

(3) ダブル適用で戸惑い

「住宅取得資金贈与の特例」を適用している場合、一定期間が過ぎるまで相続時精算課税制度は適用できないと捉えているケースも多い。「住宅取得資金贈与の特例」とは、一定の住宅取得資金贈与については1500万円までの部分について「5分5乗方式」による税額計算が認められる特例。贈与金額を5分の1ずつ5年間かけて贈与されたものとして贈与税を計算するため、5年分の基礎控除を前倒しで使えるうえ、贈与税の累進税率を軽減できる効果がある。

同制度は相続時精算課税制度の登場によってすでに廃止されているが、たとえば4年前に適用した人は来年分までの基礎控除を前倒しで使っているため、まだ「適用中」ともいえる。こうした人が相続時精算課税制度を適用できるかどうかという問題だが、相続時精算課税制度は既存の贈与税基礎控除との選択制となるため、当然、住宅取得資金贈与の特例とも選択制となる。しかし、一般に新制度は遡及しないため、仮に4年前に住宅取得資金贈与の特例を適用していたとしても、相続時精算課税制度の適用は可能だ。

(4) 3500万円枠めぐる誤解

住宅取得資金に関する債務免除について、相続時精算課税制度の3500万円枠が使えるのではないかと勘違いしている人が、意外に多いという。これはどういうことかというと、たとえば、過去に住宅取得資金贈与の特例を受けていて、非課税枠(550万円)をオーバーしている部分を親から「借りている」ことにしている場合で、これを債務免除してもらうことで相続時精算課税制度を適用するケース。こうしたケースで相続時精算課税制度を適用することは可能だが、この場合、「住宅取得資金の贈与」ではなく、「債権放棄という形の贈与」となるため、特別控除枠は3500万円ではなく、2500万円となる。

このほか、住宅取得資金としての「金銭贈与」に限定されている3500万円の非課税枠を、住宅そのものの贈与でも使えると捉えているケースや、ひとたび相続時精算課税制度を適用したら、二度と従来の贈与税控除が使えないということを、認識していないケースも多い。時間がたつにつれて、相続時精算課税制度の「ややこしさ」が具体的に見えてきた。適用に際してはくれぐれも注意が必要だ。

一覧にもどる ページの先頭へ