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注目!住宅ローン控除

(1)近づく「廃止」の足音

「個人の計画的な持家取得」を支援する目的で存在するハズの住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)。しかし、最近どうも雲行きが怪しい。特例のウマ味が微妙に減ってきているのだ。

住宅ローン控除とは、10年以上のローンを組んで住宅を取得または増改築した場合、年末借入残高の一定割合を10年間にわたり所得税から控除できるという制度。適用要件は山ほどあるが、それでもこの特例を頼りにマイホーム取得に踏み切る人は後を絶たない。

ところが、今年の入居分から控除額が先細っていくことが決まっている。10年という控除期間は変わらないが、控除率適用期間が変わるのだ。昨年入居までは全期間を通して1%の控除率が適用されたが、今年入居は1〜8年目までが1%、9〜10年目は0.5%となる。ちなみに、来年入居になると、0.5%控除率の適用年が8〜10年目に増え、少しずつ縮小して平成20年を最後に廃止する方向だという。

住宅販売サイドでは、毎年縮小していく優遇幅を逆手にとって「今年入居だとこんなにお得!」などのセールストークが準備されているが、年々縮小される控除限度額に「かえって住宅市場が冷え込むのでは…」と危機感を感じている人は少なくない。

(2)"裏技"の目的は?

マイホーム取得を税金面からフォローしてくれる住宅ローン控除。平成17年中に入居した場合、10年間の控除期間のうち1〜8年目までは年末借入残高の1%相当額、9〜10年目は0.5%相当額が各年の所得税から控除できる。払った税金がそのまま戻ってくる税額控除とあって、家計に優しい制度と好評だ。

ところでこの住宅ローン控除、初回の適用は確定申告が必要だが、サラリーマンの場合、2年目以降の適用は会社の年末調整で対応してもらえる。手間が省けて大変便利なのだが、なぜか2年目以降も確定申告を適用する人がいるという。あえて面倒な道を選択するその理由やいかに・・・。

実は、「還付ルート」が大きく関係している。住宅ローン控除を年末調整によって適用すると、還付金は給与に合算されて戻ってくることになる。ところが、確定申告によって適用した場合、還付金は指定の口座に振り込んでもらえるのだ。つまり、給料の振込口座を奥さんにガッチリ握られているサラリーマンにとって格好の小遣い稼ぎというわけ。

この"裏技"、どうも税務職員の間で頻繁に使われているらしい。さすが税金のプロという感じだが、もし、奥さんにバレたら一生後悔することにもなりかねない。くれぐれも相手を見て慎重に対応する必要がありそうだ。

(3)相次ぐ改正で混乱

税制とは変化するもの。なかでも住宅ローン控除制度の変化は目まぐるしく、そのスピードに追いつけず混乱している人も少なくない。

たとえば控除期間ひとつとっても大きく変化している。平成10年までは「6年」だったが、平成11年〜13年6月までは「15年」と大幅に拡大。平成13年7月以降は「10年」となっている。

控除率の変遷も目覚しい。平成10年入居分までは、当初3年間は年末借入残高1千万円以下の部分が2%、2千万円以下が1%、3千万円以下が0.5%で、残り3年間は、2千万円以下が1%、3千万円以下が0.5%と、細かい計算が必要だった。これが、平成11年入居分からは当初6年間が1%、続く5年間が0.75%、ラスト4年間が0.5%と微妙に整理。そして、平成13年7月入居分からは一律1%(50万円まで)となった。さらに、平成17年入居分は、控除期間のラスト2年間が0.5%となっている。

このため、たとえば平成10年に取得したマイホームを平成17年に増改築し、それぞれに住宅ローン控除を適用する場合、平成17年分の確定申告で2種類の計算が必要になるのだ。

これだけでも十分大きな変化だが、加えて適用要件も少しずつ変化している。住宅ローン控除の適用には十分な注意が必要だ。

(4)ネーミングでも混乱?

改正につぐ改正で「何だかややこしい」という印象が深く根付いた住宅ローン控除制度。しかし、ややこしいのは控除期間や控除率、適用要件などの変遷によるものだけではない。実は、その名称をめぐり混乱が生じたこともある。

「住宅ローン控除」というのはあくまで通称。もともとの正式名称は「住宅取得等特別控除」だった。年末借入残高の金額に応じて控除率が段階的に設定されているもので、控除期間は6年。しかし平成11年度税制改正で「住宅借入金(取得)等特別控除」が登場した。これは、適用年によって控除率が段階的に設定されているもので、控除期間は15年。さらに、これまで適用対象外だった住宅の敷地についても対象に含められることになった。

入居日によって制度の具体的な仕組みだけでなく、名称まで異なることになったわけだが、通称は今も昔も「住宅ローン控除」だ。すっかり浸透している通称だけに、税務職員が頑張って正式名称を連呼したところで、「ああ、住宅ローン控除のことね」とまとめられてしまう。

例えば…
納税者:土地取得のためのローンも住宅ローン控除は適用できますよね。
税務職員:住宅の敷地なら適用できます。入居日はいつですか?
納税者:平成10年です。
税務署:それでは住宅取得等特別控除は適用できませんね。
納税者:私は住宅ローン控除の話をしているのですが。
税務署:私もです。

こんな会話が大真面目に展開したかもしれない。

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