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保証人苦しめてきた包括根保証が平成17年4月1日で廃止

金融取引で使われる包括根保証を禁止する民法改正法が平成17年4月1日より施行された。現行の民法で定める包括根保証には、債権保全に際して致命的な問題がある。それは、第三者からとった包括根保証について、あまりにも保証人の責任が過重であるとして、実は判例で保証人側からの解約権が認められていて、保証人の責任を限定している。その解約権とは、保証契約を締結して相当の期間が経過した場合に、保証契約を解約できる任意解約権と債務者の資産状況が急激に悪化したとき解約できる特別解約権のことだ。ただし、債務者である会社の社長や専務などは、自社と債権者との間の取引の状況を知りうる立場にあるため、任意解約権も特別解約権もないものとされている。

包括根保証を勧めていたのは税理士だった

 しかしこれでは、保証契約を締結して時間がたっていたり、債務者の資産状況が急激に悪化したときには、債権者の承諾なしに、保証人の側から一方的に解約できることから、せっかく取引先の債権保全として別途、保証人を立てさせた意味がほとんどなくなっているわけだ。したがって、債権回収の実務においては「包括根保証」ではなく、保証金額に限度のある「限定根保証」をとるのが常識となっている。

ところが、こうした法律知識を持たない税理士などが、お客から債権保全手段の相談を受けて包括根保証を薦められるケースが非常に多い。 一方で、限定根保証でトラブルに発展するケースもある。限定根保証契約を結ぶ場合に、極度額を書き込んでおかなければ、将来の取引増加に備えた対策になることから、極度額を空欄にしたままの保証契約書をとる営業マンがいる。この場合、形式的には限定根保証契約を結んでいるが、実質は包括根保証契約を結んだと認定されてしまう。また、極度額について保証人が記入せずに債権者が勝手に記入した場合には、後日、裁判で保証書の信憑性が問題となるケースも少なくない。さらに、極度金額を定めない根保証契約の恐ろしさを知っている人が騙されやすいのが、極度金額を大きく定めておくケースだ。この場合には、判例でいう保証人側からの一方的な解約権は発生しなくなる。しかし、極度額が取引額に比べて不相応に多額である場合には、保証人の責任が過重になるので、保証人の責任が相当な額に限定されることがある。

そうならなくても、取引先との取引状況や取引の予想などからみて過大な極度額を定めた場合には、取引先に対して取引増加の口実を与えることになる。保証人からの弁済があるから大丈夫と高をくくり、知らず知らずのうちに借金まみれになる会社も少なくないわけだ。

元本確定期日は最長5年に設定された

そもそも「根保証」という契約は、繰り返し行われる借り入れと返済を一つの契約の中で継続して行えるため、新規の借り入れごとに保証契約の結び直しの手間がかからない利点があり、一般的な商慣行として行われてきたもの。その中でも「包括根保証」は、限度額や期間を定めない保証契約であることから、中小企業が融資を受ける際には、銀行がその優越的地位を利用して、この包括根保証を経営に個人保証として求める場合が多く見受けられる。

この個人保証は、経営の悪化により借り入れ金額が増えた場合など、個人で返済するにはあまりにも過酷な債務額となり、返済を苦にして自殺に追いやる要因にもなっている。

そこで、今回の民法改正では、まず極度額のない根保証契約を無効とした。今回の措置の対象になるのは、債務の範囲内に融資に関する債務が含まれていて、しかも、保証人が個人の場合に限られている。しかも、根保証契約を含む保証契約は、契約書などの書面によって締結しなければ無効とされる。

次に、元本確定期日は、契約で定める場合には契約日から5年以内、契約で定めていない場合には、契約日から3年後の日とされる。例えば、5年を超える日を元本確定日と定めた場合には、その定めは無効となり、契約日から3年後の日が元本確定期日となる。 さらに、債務者や保証人が、強制執行を受けた場合や破産手続き開始の決定を受けた場合、死亡した場合には、根保証をした保証人は、その後に行われた融資については保証債務を負担しなくてよいとされた。

問題は、今回の改正法の施行前に締結された包括根保証まで無効となるのかどうかだが、これについて中小企業庁では、「改正法の施行前に締結された包括根保証契約は無効にはならない。ただし、改正法の施行後3年が経過しても元本が確定しないものは、3年を経過する日に自動的に元本が確定するという経過措置が設けられテいるので、改正法の施行前に締結された包括根保証契約の保証人は、元本が確定した後の融資については保証債務を負わないことになる」としている。

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