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「事業の取捨選択」〜意思決定について
中小企業の経営者が様々な経営の場面での意思決定において、経営理念に基づいての意思決定を行っていないのがほとんどのようです。「事業の取捨選択」の論点は、自社の選択すべき事業は、どんな時にもビジョンに向かっていることが大事であり、理念や事業目的や使命に基づいている必要があり、そこから逸脱したときに大きな問題が生じてくる、ということです。
意思決定には「事実前提」と「価値前提」という2つの論点があります。事実前提とは簡単に言うと1+1=2といったもので、事実に基づいたものです。一方、価値前提とは好きとか嫌いとかといった、人の価値観に基づいたものです。
事業の取捨選択を目の前の事実に基づいて意思決定するよりも、企業自体の価値に基づいて選択すべきですが、中小企業の場合には、ほとんどが事実前提によってその取捨選択を行っている場合がほとんどです。ビジョンや理念や事業目的とは、まったく違った選択をするのが中小企業です。
| 「事業の取捨選択」 | |
| 意思決定 | |
| 事実前提 | 価値前提 |
| 1+1=2事実 | 好き嫌い |
| 儲かる | ビジョン |
| 投資 | 理念 |
例えば、バブルの時期に土地の儲け話にのって、多額の投資をしてしまった中小企業はその典型です。企業の本業や目的に土地の投資活動があったでしょうか?本業と違った目的、目標に投資した挙句が多額の負債、不良資産を抱える羽目になってしまったのです。その当時、土地などの投資をせずに地道に、本業の道、王道を歩んできた企業がいま健全な企業として残っているのではないでしょうか。
結果的に自社で保有している経営資源が分散されますから、コスト高や、生産性の低下、人材の損失や資金の無駄遣いが起きてしまうのです。
経営資源の少ない中小企業では的を絞った事業の選択をし、なるべく自社の現在持っている経営資源を有効に活用して、ハイリスクを避ける経営をしていかなければなりません。
目先の利益にとらわれずに、企業の理念や事業目的にあった判断や行動をとることが、企業の繁栄には欠かせないのではないでしょうか。企業の価値前提となる理念やビジョンがない企業は、どうやってその判断や行動をとったら良いのでしょうか。社長ばかりでなくそこに働くすべての人々の価値判断、行動の規範になるものがなければ企業は誤った判断、行動をしてしまいます。
経営理念とは企業の言わば憲法のようなもので、企業のすすむべき方向性を明確に示すものでなければなりません。その理念に基づいて法律である行動規範や行動指針が作成され、数字に落とされると経営計画につながるのです。そうして、そこに働く社員は具体的にどのように行動したら良いのか迷ったときには、どんな行動をとったら良いのかこの理念に照らし合わせて考え、行動すればよいのです。決して事実前提による意思決定を行って、目先の利益を追う行動を取ってはいけないということを肝に銘じておいてください。


