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赤字会社の銀行対応と格付けアップ方法

金融検査マニュアルの「赤字」には、その原因や背景によって3つの種類があります。

【恒常的な赤字】
2期、3期続けて、営業利益が赤字の場合、多くは恒常的な赤字と判断されます。
正常先からの格下げの原因となります。

【一過性の赤字】
一過性の赤字は、営業利益は出ているが、不要となった設備の売却損など特別な損失によって発生した一時的な赤字です。格下げにはなりません。

【創業赤字】
創業赤字として問題がないと判断できる赤字は、創業に際しての事業計画と大幅な乖離(かいり)がない場合です。

通常、会社では、金融機関が「恒常的な赤字」と判断するか「一過性の赤字」と判断するかで、その後の銀行の対応が大きく変わってきます。「恒常的な赤字」なら正常先から要注意先以下に格下げとなります。

したがって、「一過性の赤字」と説明するために、今期の見込みも含めて、具体性のある次年度以降の経営計画をしっかりと金融機関に説明することが必要です。

(1)「要注意先」の銀行対応方法

(「一過性の赤字」ではなく「恒常的な赤字」と銀行に判断され、要注意先以下に格付け評価されてしまった場合)
金融機関が、「業績が低調、あるいは不安定」である。または、「財務内容に問題がある」 などの理由で、要注意先と判断したら、金融機関に対して、会社の将来についての説明を明確な形でしなくては正常先に回復しません。
具体的には、中期経営計画を作成し、総合的な形で正常先と認めてもらうための説明をすることが必要となります。
この場合、経営計画の期間は、通常3年〜5年です。

(2)格付けアップ方法〜その1(経営計画の説明について)

中期経営計画の中で、以下の5点について明確に説明することが必要です。

1) 安定して営業利益がでること
2) 借入金の返済がどこまで進むか
3) 黒字転換は計画第○期に実現する
4) 債務超過は計画第○期に解消する
5) 繰越欠損金は計画第○期に解消する

※格付けアップの本質は、本業の利益である営業利益を継続して、経営計画通り出すことです。

(3)格付けアップ方法〜その2(経営計画作成上の注意点)

1) 経営者は熱意をもって会社のビジョンも含めた経営計画の説明をする
2) 受注に関する説明では、可能な限り、受注の別添資料を添える
つまり、できるだけ入金の根拠を示して説明する
3) 金融機関にお願いするだけではなく、役員報酬のカット、人件費の削減など自らリストラ努力を行う
4) 遊休資産の資産圧縮計画では、計画書で売却の方向性を示しても、売却数値自体は売上計画に入れない方が良い場合があります。実現可能性を慎重に判断します。
5) 借入金の返済計画は詳細に計画書に明示する
6) 銀行間のバランスを考える
7) 政府系の金融機関や保証協会付きの借入金については、10年以内に返済するような計画書を作る

参考(信用力アップのために)

平成18年5月1日に施行された会社法において、企業の計算書類の正確性を高めるものとして「会計参与」制度が規定されました。
 「会計参与」とは
(1) 公認会計士か税理士であること
(2) 株主総会で選任され、取締役と同様の規律に従う
(3) 取締役と共同で計算書類を作成する
(4) 計算書類を会社とは別に保管する
(5) 株主・債権者の計算書類開示要求に対して開示を行う
(6) 会社又は子会社の取締役、執行役、監査役、会計監査人、または支配人、その他の使用人を兼ねることができない
(7) 「会計参与」の任務懈怠(かいたい)の責任は社外取締役と同様

(報酬の2年分までの賠償責任)
 この制度は、中小企業の財務諸表の信頼性向上と「会計参与」に「中小企業の会計保証人」のような責任ある立場を与え、会社との取引や融資の場合に一定の担保とするという意味があると考えられています。「会計参与」は、社外取締役と同じく株主代表訴訟の対象にもなり得ます。「会計参与」は、当然、税務申告業務も行うわけですが、署名捺印の意味合いは、これまでとは比較にならないくらいの責任と義務が発生してきます。

今までいい加減な税務申告を見逃してきた、公認会計士、税理士にとってはまさに一罰百戒(いちばつひゃっかい)の法律になる可能性もありますが、会計業界のレベル向上にはおおいに貢献することになると思います。日本公認会計士協会や日本税理士会も賛成の意思表示をしているところです。

現在、財務諸表を公表していない会社でも、一般的に取引先、興信所を通じておおよその経営状況の情報を入手することが出来ますし、経営者として粉飾決算の財務諸表を長らく維持することは難しいはずです。以上の観点から見ても、会計参与制度を会社がとれば、「財務諸表の信用性」から銀行格付けのアップにつながるのではないでしょうか。

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