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企業のメンタルヘルス対策〜その2

前回と今回は、企業のメンタルヘルス対策についての検討です。前回は、メンタルヘルスに関する基礎的な知識や、日頃からできる簡単な対策などについて見てきました。今回は、さらに踏み込んで、メンタル面の不調のサインや、長時間労働との関係、休職や復職をした場合の注意ポイントなどについてご紹介します。

メンタル面の不調のサインは?

前回、企業のメンタルヘルスについては、早期発見が重要であると申しましたが、自分ではなかなか気付かない場合も多いのがメンタル面の不調です。上司や同僚などがちょっとした様子の変化を気付いてあげることも重要になってきます。例えば、“最近、ため息ばかりついている”“いつもイライラしている”“遅刻・欠勤が目立つ”などです。不調を示す兆候は、「身体面」「行動面」「精神面」に大きく分けられますが、特に「行動面」は、周囲も気付きやすい兆候です。メンタル面の不調が認められる場合には、本人に様子を聞き相談に乗ってあげることも大切ですが、場合によっては、専門医の受診を勧めることも必要になります。

●身体面のサイン
 ストレスが溜まるとそれが身体症状となって現れることがあります。
(腹痛、頭痛、めまい、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など)
●行動面のサイン
 周囲がきにとめていれば、気付きやすい側面です。
(欠勤、遅刻、早退、集中力の低下、ミスが多いなど)
●精神面のサイン
 ストレス状態が長く続くと引き起こされることが多くなります。
(いらいらしている、怒りっぽい、気分が変わりやすい、急に無口になったなど)

長時間労働とメンタルヘルス

最近は、「うつ病」が長期休業の理由として上位にあがってくるようになっており、企業にとっては、日頃のリスクを把握し、対策を講じることが、経済的損失防止にもつながることを認識すべきです。特に長時間労働による過重労働は、メンタル面の不調も引き起こす可能性があるとされており、法律の遵守はもとより積極的な対策を講じていくことが必要です。ちなみに、労働安全衛生法では、月100時間を超える時間外労働を行った社員の申出があった場合に、医師による面接指導を行うことを義務づけています。

●全ての事業場(常時50人未満の労働者を使用する事業場は平成20年4月から適用)を対象に、事業者は、労働者の1週40時間を超える時間外労働が1ヶ月あたりで100.時間を超え、かつ蓄積が認められる時は、労働者の申出を受けて意志による面接指導を行わなければならない。


●事業者は、医師の意見を勘案して、必要があると認めるときは、労働者の実情を考慮して、就業場所・作業の転換、労働時間の短縮、深夜業の回数減少等の措置を講じるなど適切な措置を講じなければならない。

休職に際してのポイントは?

メンタル面の不調を抱える社員の場合、有給休暇や休職期間を経て、最終的に退職に至るケースも多いようです。専門医の受診により、しばらく休養が必要と診断された場合には、一般的に休職をしてもらうことになりますが、本人の健康回復を最優先に考えたうえで、社内規定にもとづき早めに対処することが大切です。この場合に、本人や家族にとって休職期間中の収入は最大の心配ごとです。健康保険には傷病手当金という制度があり、精神疾患で休職している期間中、無給の場合には、給料の6割の給付が受けられるようになっています。この制度は、復職できずに万が一、退職に至った場合でも、引き続き受けることができます。申請には医師の診断や会社の証明も必要になりますので、休職期間中に必ず手続を行うようにしましょう。なお、退職後も引き続き受給するためには、1年以上健康保険に加入しており、退職日に傷病手当金が受けられる要件(働くことができず連続して3日以上休んでいることなど)が整っていることが必要です。

復職に際してのポイントは?

復職は、「本人の復職の希望」と、「主治医の復職可能の判断」の両方を前提に進められます。この場合に、主治医、産業医、会社の総合的な見解を基に、本人との相談により進めていくことが大切になります。その際にいきなり前職に完全復帰させるよりも、一定期間、勤務を軽減した形で試験的に復帰させてみることは、後日のトラブル防止にも役立ちます。うつ病の場合、いったん良くなっても、その後に再発する可能性の高い病気とされています。再発させないためには、何よりもしばらくは無理をさせないことが重要です。また、定期的に本人との面談機会を設けることや、通院の時間を確保してあげることも大切です。

最後に・・・・

公的な助成金を上手に利用し、予防をはかっていくことも一案です。外部の専門家などに委託し、要件を満たした場合に受けられる助成金を挙げておきますので参考にしてみてください。

■中小企業職業相談委託助成金
メンタルヘルスを含む職業相談などで、外部の専門機関(医師、産業カウンセラー、臨床心理士)等に3箇月以上委託するものが対象となります。外部の専門機関との委託契約に要した費用の3分の1又は、雇用保険の被保険者数に応じて以下の上限額のいずれか低い額が助成されます。
10人未満・・・・・・・・・・・・・・・・・・10万円
10人以上50人未満・・・・・・・・・・・・・25万円
50人以上100人未満・・・・・・・・・・・・40万円
100人以上・・・・・・・・・・・・・・・・100万円
支給申請手続については、独立行政法人 雇用・能力開発機構都道府県センター
http://www.ehdo.go.jp/)にお問い合わせください。

 

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