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従業員の健康診断を実施していますか?〜その1
今回と次回の2回で、従業員の健康診断について考えてみましょう。平成18年4月1日から法律が改正され、時間外労働を長時間(100時間超)行っている従業員が申し出た場合には、医師による面接指導を実施することが義務づけられました。現行では、従業員50人以上の企業が対象ですが、50人未満の企業でも平成20年4月から適用されることになります。また、厚生労働省では、過重労働による健康障害を防止するために「過重労働による健康障害防止のための総合対策」を設けて企業への指導を強化しています。この機会に健康診断について基本的なことから確認していきましょう。
法律ではどうなっているの?
企業は、常時勤務する従業員に対して、雇い入れ時、及び1年以内ごとに1回、定期健康診断を実施しなければなりません。これは労働安全衛生法という法律で義務づけられているもので、違反をすると50万円以下の罰金がかせられることもあります。実施項目は以下の通りです。
【雇入時健診の受診項目】
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長、体重、視力及び聴力(千ヘルツ及び四千ヘルツの音に係る聴力)の検査
- 胸部エックス線検査
- 血圧の測定
- 貧血検査(赤血球数,ヘモグロビン)
- 肝機能検査(GOT、GPT、γ−GTP)
- 血中脂質検査(血清総コレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)
- 血糖検査
- 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無)
- 心電図検査(安静時心電図検査)
定期健康診断の時の費用と賃金は?
定期健康診断にかかる費用についてですが、法律の定めである以上、企業が全額負担することになります。ただし、企業が実施する定期健康診断を本人の希望で受診しない場合に、従業員が各自で受けることも認められていますが、その費用については本人負担とすることも可能です。また、再検査・精密検査が必要と診断された場合の費用負担については、法律に定められていませんので、どちらが負担するのか?就業規則などに記載しておくようにしましょう。なお従業員の負担とする場合は、再検査や精密検査については健康保険の利用が可能です。
また、定期健康診断に要する時間についてですが、労働時間ではないため、賃金を支払わなくても法律違反とはなりません。ただし、行政指導では支払うことが望ましいとされています。もし賃金を支払わないということであれば、トラブルを防ぐ意味からも、やはり就業規則に記載するなど、なるべく書面にして周知しておきましょう。なお、有害業務従事者の特殊健康診断については、賃金の支払いが必要となりますのでご留意ください。
公的に利用できる制度はないの?
政府管掌の健康保険に加入している場合、生活習慣病検診を受けることができます。ただし、年齢制限や予算の関係上、年の途中でも締め切られる場合などがありますので、ご留意ください。定期健康診断で義務づけられている検査項目以上の内容となっていますし、国の助成があるため、費用負担も一部で済みます。また、健診で脳・心臓疾患の発生に関係する検査項目で異常が認められる場合、労災保険による二次健康診断が無料で受けられます。これらの公的制度も積極的に利用しましょう。
【生活習慣病検診について】
一般検診は、診察や尿、血液を採取しての検査、胸や胃のレントゲン検査など約30項目の全般的な検査を行います。利用できる対象者は、40歳以上である従業員(被保険者)とその扶養である配偶者、生活習慣の改善指導を受けることを希望する35歳以上、40歳未満の従業員(被保険者)です。
詳細や申込は、都道府県の社会保険健康事業財団支部にお問い合わせください。
【労災保険による二次健康診断】
定期健康診断で過労死に関連する項目(脳・心臓疾患の発生に関連する検査項目)に異常が認められた場合、労災保険(無料)で、二次健診と医師又は保健師による特定保健指導を受けることができます。労災給付の請求については、「二次健診等給付請求書」に必要事項を記入し、一次健診の結果の写しを添付のうえ、指定病院等経由で地方労働局長に一次健診後3か月以内に申請します。
次回は…
次回は引き続き、健康診断の基本的なことについて、確認していくとともに、健康診断を実施しない場合に、企業が抱えるリスクなどについてご紹介していきます。


