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年次有給休暇正しく運用していますか?〜その2

前回に引き続き、年次有給休暇について考えてみたいと思います。前回は、年次有給休暇についての誤解が、思わぬトラブルに発展しないよう付与日数や運用の留意点などについて見てきました。今回は、効率的に年次有給休暇の取得促進を図る方法を見ていくとともに、実際の就業規則の規程例や労使協定例をご紹介します。この機会に年次有給休暇について一緒に再確認していきましょう。

年次有給休暇の計画的付与とは?

年次有給休暇は、従業員から請求があれば、与えなくてはなりません。ただし、使用者には時季変更権という権利があり、これを利用して時期をずらしてもらうことができることは前回ご紹介しました。しかし、いつでも権利を行使できるわけではなく、年次有給休暇を与えることによって、事業の正常な運営を妨げる場合に限られます。
そこで、年次有給休暇を効率的に取得させる方法として「年次有給休暇の計画付与」をご紹介します。具体的には、年次有給休暇のうち5日を超える部分については、使用者側と従業員側の話し合いで、あらかじめ取得日を決めておくものです。この制度は、有給休暇の取得促進という観点から設けられたものですが、上手に利用することにより、効率的な経営ができるメリットがあります。「年次有給休暇の計画付与」の方法は次の3つがあります。

(1)事業場全体の一斉付与・・・事業場全体に一斉に付与すること
(2)班、グループ別による交代制付与・・・班、グループ別に交代して付与すること
(3)年次有給休暇計画表による個人別付与・・・個人単位で交代に付与すること

具体的にはどうすればいいの?

「年次有給休暇の計画付与」を導入するためには、就業規則に定めるとともに、労使協定(使用者と従業員側の書面による協定)の締結が必要です。労使協定で定めなければならない事項は、次の通りです。

(1)計画付与の対象者(あるいは対象から除く者)
(2)対象となる年次有給休暇の日数
(3)計画付与の具体的な方法
   ・事業場全体の休業による一斉付与の場合は、具体的な有給休暇の付与日
   ・班、グループ別の交代付与の場合は、班、グループ別の具体的な有給休暇の付与日
   ・年次有給休暇計画表による個人別付与の場合は、計画表を作成する時期、手続等
(4)年次有給休暇を持っていない者の扱い
(5)計画付与日の変更

実際の定め方は?

実際の定め方をご紹介します。
○就業規則の規定例は次のとおりです。

第○条 労働組合(又は従業員代表)との書面による協定により、年次有給休暇を計画的に付与することとした場合には、その協定の定めるところにより年次有給休暇を付与するものとする。
従業員は、その保有する年次有休暇のうち前項の労使協定に関わる部分については、その協定の定めるところにより取得しなければならない。

年次有給休暇の計画付与に関する協定

株式会社○○○(以下会社という)と株式会社○○○従業員代表は、年次有給休暇の計画付与に関して次のとおり協定する。

第1条 この協定によって計画付与の対象となるのは、就業規則第○条に定める年次有給休暇のうち、5日を超える日数とする。
第2条 この協定に基づき、一斉に年次有給休暇の計画付与を行うのは次の日程である。
○月○日〜○月○日
前項に掲げられた日程については、従業員より年次有給休暇の請求がない場合でも、会社は年休を取得したものとして処理する。
第3条 従業員が有する年次有給休暇の日数から5日を差し引いた残日数が、第2条の指定日数に満たない者に対しては、不足日数を限度として特別休暇を付与するものとする。
第4条 次に掲げる者に対しては、本協定を適用しない。
(1)休職中の者
(2)産前産後休暇中の女性
(3)育児休業中の者
(4)業務上負傷による療養のため休業している者
第5条 この協定の定めにかかわらず、業務遂行上やむを得ない事由のため第2条に定める指定日に出勤を必要とするときは、会社は従業員代表との協議の上、指定日を変更するものとする。
平成○年○月○日

株式会社○○○
代表取締役 ○○○○  印

従業員代表 ○○○○ 印

活用例は?

「年次有給休暇の計画付与」の活用例は次の通りです。
  ・夏期、年末年始に年次有給休暇を計画付与し、大型連休とする。
  ・暦の関係で休日が飛び石となっている場合に、間に計画付与して3連休、4連休とする。
  ・従業員の誕生日や結婚記念日、子供の誕生日などに計画付与し、記念とする。
  ・閑散期に年次有給休暇の計画的付与日を設けて、休暇の取得を促進する。

最後に・・・・

2回にわたってご紹介してきた年次有給休暇ですが、企業における平均取得率はまだまだ低いようです。使用者の理解不足や周囲への気兼ねから年次有給休暇を取得するのが難しいという声も良く聞きます。従業員が休暇をきちんと取れる職場環境を整えることで、ストレスの解消やリフレッシュができ、効率的に業務遂行が行えるよう、出来ることから一つひとつ取り組んでいきましょう。

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