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香港の金融事情から読み解く!日本における「資産運用」の実態
先月私は香港へ行き、世界トップレベルといわれている香港の金融事情を視察してきた。毎月資金調達という観点から金融・資金について述べてきたが、今月は資産を守るということ、そして資産を積極的に増やすという観点から、日本と海外、特に先進地といわれる香港の金融事情について比べ、皆さんにはぜひ金融というものについても、世界レベルの視点を持っていただけるようにしたい。
まず驚かされるのは香港における税制が、日本とはまったく違うということである。香港では法人税は17.5%のフラットタックス、所得税は16%だ。ただし、かなりの高額所得者のみにかかる仕組みになっており、普通のサラリーマンはまず所得税を払うことはない。相続税はなんと非課税、そして投資にかかわるいわゆるキャピタルゲイン課税はない。これだけでも利息が少しついてもそこから税金をたくさん取られてしまう日本とは大きく違うのである。
また金融機関同士の競争は、香港の方がかなり激しい。それもそのはずである。銀行ひとつとっても、日本と香港の金融機関の数は同一の人口比率に直して考えると、15倍以上も香港のほうが数多いのである。
日本ではいまだに建前は自由競争となった金融機関が、相変わらず護送船団方式で国に守られながら営業している。そんなイメージを持っていない方も多いと思うが、例えば日本の保険会社を見ると、香港の保険会社の保険料と比べると、同じ保障をするのに2倍以上、高いお金を払うことになる。なぜそんなことになるかというと、日本では一番体力のない保険会社が、潰れないように保険料を決めているからだ。だから外資系の保険会社がいきなり半額の保険料の保険を日本で売ろうとしても、金融庁の認可が下りないということが起こる。
そういう事情で、ある程度体力のある金融機関は、巨額の利益を上げることになるのである。これが果たして消費者保護といえるであろうか?
これだけではない。皆さんはATM利用の時間外手数料を、当たり前のように払ってはいないだろうか?香港では、時間外手数料どころか、24時間、365日ATMが動いており、手数料という概念すらない。もし香港でそんな手数料を取るという銀行があったら、営業させてもらえないだろう。
もうひとつ驚かされるのは、外為手数料の違いである。日本の銀行だと例えばUSドル建ての定期預金をしたとする。ドルに換えるための手数料は、香港の2倍以上である。この手数料の差で手元に残る金利は、2倍以上違う。
また投資信託などの運用にかかる手数料も、日本では投資信託を発行元から直接購入できないことが多いため(ベビーファンド)いろいろな会社に払う手数料が割高となる。香港では直接購入ができるもの(マザーファンド)がたくさんある。その手数料の違いはパフォーマンスの差となって現れてくる。
また、香港を始め世界の金融先進地では、満期まで置いておけば、例えば5年とか、7年くらいで預けた元本が2倍、3倍に増えて、元本は必ず保障されるというファンドも多数ある。年利に換算すると15%以上ということになる。
こういうものが普通に購入できるのである。日本でも資産家を中心にこういったファンドに投資している人はいるが、まだまだ一般に知られているというレベルではない。
このように、いろいろな点で日本と世界は大きな差があるのだ。日本の銀行が一番進んでいると思っている人がまだまだ日本人には多いが、実際行ってみるとよく分かる。金融の世界に関しては、世界の常識は日本の非常識、日本の常識は世界の非常識になっているということだ。こういうことをもっと日本人も勉強し、賢く銀行を利用していただきたいし、銀行が世界レベルに少しでも近づくように国としても考えていただきたいと思う。


