HOME > 経営者お役立ちバイブル > いまもなお貸し渋りは続いている?!〜資金繰りに対する考え方の基本
いまもなお貸し渋りは続いている?!〜資金繰りに対する考え方の基本
最近は金融機関の不良債権処理もほとんど終わり、金融機関に余裕ができ、金融機関は公的資金もどんどん返済をしてと、明るい話題が多いように見えるかもしれないが、実際はどうなのだろうか?
実は金融機関の中でも経営に余裕の出てきたところと、経営が厳しさを増しているところとの二つに分かれているというのが実情のようだ。地方の第二地銀を中心に地方金融機関で経営の厳しくなってきている銀行があることは事実である。そこで、企業の経営者として世の中の経済情勢を見ながら、その情勢にあった経営、そして金融機関との付き合い方をしてゆくことが重要といえるだろう。
今回は、資金繰りに対する考え方の基本とも言うべき事項を最初にお話したいと思う。
「貸し渋りはなくなっていない」というのが現場の経営者の率直な声である。しかしなぜ状況が好転しているように見えるのか?それは金融機関の不良債権処理が進み、銀行も少しずつまたリスクをとった形の融資が一部でできるようになってきたからだろう。
例えば、一度銀行から債権回収会社に債権譲渡された案件が、また再び別の銀行の肩代わり融資として取り上げられるという例もある。以前は実行できなかったような案件が、多く取り上げられるようになってきた。しかし、中小企業に対する融資姿勢は、以前とそれほど変わっていないと思われる。だからこそ今一度、資金繰りに対する基本的な考え方を是非ここで確認をしていただきたい。
まず、皆さんは、「借りた金は当初のスケジュール通り必ず返さなければならない」と思い込んではいないだろうか?
例えば、銀行から借りた運転資金の返済が不能になったとしよう。経営者としてどうするだろうか?
ある経営者は別のところから借りてきて銀行の融資の返済をする。またある経営者は、事情を話し、資金繰り表を持参のうえ返済額を減らしてもらうように銀行と交渉をする。どちらが正解かといえば、後者である。別のところから借りてきてとなると確実に銀行よりも金利は高いところになる。商工ローンという場合が多いだろう。3%のローンが返せなくなって、27%のローンで返したらどうなるか?冷静に考えればすぐわかるだろう。
しかし、その場になると慌ててしまい、冷静に考えることができなくなってしまうのだ。だからこそ私は、普段から資金繰り表を作り、いつも冷静な判断ができるようにしておくことをお勧めしたい。資金繰り表というと難しいものを作るイメージがあるかもしれないが、そんな立派なものである必要はない。
3ヶ月先くらいまでの予定で、手形の決済がいつ、いくらあるか。取引先への支払いが、いつ、いくら、また、入金がいつ、いくらあるかということを紙に記入し、支払日にいくら余裕があるのか、またいくら足りないのかという差額を把握しておけばよい。これならノート一冊あれば簡単にできるはずだ。
資金繰りの相談にこられる方で以上のように資金繰りを把握されている方が思いのほか少なく、本当に資金繰りに詰まってしまってから相談される方が非常に多いので、普段からこのような簡易的なものでかまわないので資金繰りを把握していただくことをお勧めしたい。そうすれば、あわてて月末近くにいくつもの銀行を渡り歩くこともなくなるだろう。資金繰りに奔走する時間が減ることによって、一番大切な営業の時間が増えて、それだけで売り上げが伸びた会社があるくらいだ。
会社の経営が上手くいくためのひとつの要素として、資金繰り表の作成に取り組んでいらっしゃらない経営者の方は、是非取り組んでいただきたい。


