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銀行からの要求にどう対応したらいいの?
前回は、銀行員からどんな要求があるかによってあなたの会社の状況がある程度わかるということをお伝えした。今回は、それではその要求に対してどんな対応をしたらよいのかということをいくつかの例を挙げながらお伝えできたらと思う。
経営者の皆さんは意外と銀行に言われるままになっている方が多いのではないか?というのが、日々経営者の方の相談に乗っている私の率直な感想だ。
まず経営者として銀行員と話をするときに考えなければならないのは、銀行というのは、商売をしているところだということだ。「何を当たり前のことを言っているの?」と皆さんに怒られそうだが、意外と銀行は商売をしているのだから、当然利益を上げなければならない。だから立場は我々と対等なのだという事実を忘れていらっしゃる方が少なくない。
例えば、銀行は当然商売であるから儲からない商品よりも儲かる商品を売りたいはずだ。損をする状態より損しない状態を作り出したいはずだ。と考えればいろいろなことがわかってくるはずだ。
ある都市銀行に何回か業務停止命令が金融庁から出ているが、これは銀行の利幅が少なくなった分、手数料を稼ぐという方針に転換し、金貸しという立場を利用し、商品をセット販売しているからに他ならない。しかし、融資以外の金融商品、例えば、保険、投資信託といった資産性のあるものの融資を受けている金融機関と、同じところから集中して買うことは、なるべくやめたほうがいい。すべての取引が集中するというのは、それだけリスクを負うからだ。
それではこんなふうに言われたとき、どうすればいいのだろうか?
融資の金利を上げさせてください。
これは格付けが下がった場合にも要求されることもあるが、今銀行は、ほとんどすべての取引先に対して金利引き上げ交渉を行っている。これを行うことにより、融資残高がなかなか増えない状況でも、銀行の利益を増やすことができるのである。
こういう要求があったときには、「実効金利はわが社ではどのくらいですか?」と聞いてみるとよい。
実効金利は、(支払い金利−受け取り利息)÷(借り入れ平均残高−預金平均残高)×100 で求めることができる。一般的には5〜10%になることが多い。
要するに銀行は、融資金利だけでなく、融資と預金の両建てで取引を行うことにより、見た目の融資金利以上の金利を稼いでいることになる。
皆さんは、これだけの実効金利を払っているのに、まだ金利を上げなくてはいけないのか?という論点で交渉するのだ。この実効金利という考え方をもし社長さんが知っていたら、銀行員はその社長をかなりの金融知識を持っている手ごわい人と思い、いろいろな交渉がしにくくなるだろう。
皆さんには、銀行員にとって「手ごわい存在」になることが交渉を有利に展開するということを覚えてほしい。
銀行取引約定書を新しくしたのでサインをお願いします
これも最近多い要求のひとつである。皆さんは「銀行取引約定書」というものをご存知だろうか?これは、融資取引における基本事項が書かれていると銀行員は説明するのだが、内容が分かりにくい。
簡単に言うと皆さんの会社が融資を返済できなくなったときに、「銀行にはこんな権利がある」と定めたものだ。これを最近ほとんどの金融機関が新しいものを作り、差し替えを行っている。これはどういうことなのだろうか。
皆さんの予想通りである、新しい約定書に差し替えると以前のものよりも銀行の権利が明確化されており、債務者にとっては不利な内容となっている。中には、金利変更について自由に行える旨を契約させるものすらある。
差し替えはしないほうがいい場合が多い。逆に差し替える義務はないので、堂々と「差し替えなんかしないで昔のままでいいよ」と言えばいい。無用な書類になるべくサインはしないということである。分からないときは是非、専門家に相談していただきたい。そして、是非「手ごわい社長」になっていただくことをお勧めしたい。


