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銀行ローンと不動産について
バブル期に銀行に勧められ、毎月返済がなく、利息の返済のみを行うローンを借り、賃貸物件を購入したというケースで問題を抱えているという方が多い。
利息の返済が滞ったりしたことは一切ないが、5年前から書き換えの時期が来ると分割返済を行うように言われるようになったというようなケースだ。状況はほとんど借り入れをした当初と変わらないの、に銀行の態度が変わったのはなぜなのだろうか?
分割返済なし、利息返済のみという融資を行い、不動産物件の購入を勧めるというのは、バブル期に都市銀行を中心にかなりの数が行われていた手法だ。
バブル期の土地は値上がりするという理論を元に担保物件の評価額は目減りしないという前提で行われていたが、現在は不動産に対して行われる融資としてはほとんど行われなくなっている。銀行から最近になって急に分割返済を迫られているケースがたくさんある。
このようなケースがたくさん起こっているのには理由がある。銀行は金融検査マニュアルや自己査定基準というものに従って融資を行うが、その中に、融資先を正常先ではなく要注意先や、破綻懸念先としてみなければならない条件というのが決められている。
例えば、借入額から資産額を引いて残った無担保部分の返済に何年かかるかという計算をし、それが10年、もしくは15年以上かかる場合、返済が滞っていなくても破綻懸念先等としなければならない場合がある。バブル崩壊後、今まで分割返済の要求がなかったものが急に返済を迫られるというケースは、主に不動産価格下落による担保不動産の評価の目減りにより、評価額不足になり格付けが下がった場合に起こることが多い。
銀行は通常5年に一度不動産担保の評価見直しを行っている。10年前の銀行ではほとんどのケースで、担保評価を担当の銀行員が自ら行っている場合がほとんどであった。しかし、自己査定基準や金融検査マニュアルの厳格化により、銀行の担保評価も銀行員担当者ではなく、不動産鑑定書によるものとしたり、信用保証会社の不動産部門による専門評価に移行したりと、より不動産担保の評価が厳しく行われるようになった。また、不動産価格の下落によりさらに評価額の低下を招き、以前行った融資の無担保額が膨らむという結果になったため、銀行が不動産の再評価を行う度に、借りている側からすると返済はしっかりしているのにもかかわらず、急に返済を迫られたと感じるようになる。
この場合、通常は、3年ごとに融資を書き換えることが多いが、中には、より銀行が回収を図ることが必要と判断したり、無担保額が大きい場合には書き換える期間をより短く、例えば1年とするような場合もある。
債務者からすると毎年のように返済を迫られるリスクを抱え込むことになり、望ましい形とは言えず、放置すると、決算の悪化や担保評価額の低下による格付けの低下が起こった場合に一括返済を迫られる場合があり危険な状態だ。銀行の態度が以前と少し変わったと感じたら、すぐに事業再生アドバイザー等の専門家に相談することが必要である。
また銀行から今まで毎年応じてもらえていた季節資金を、今年は対応できないと通告される場合がある。理由は担保評価額の下落である。この場合追加担保の提供、または、第三者の保証人を提供することが条件との説明を受けることが多い。路線価を調べるとそれほど担保価値が下がったとは考えにくいのだが、銀行の担保評価は路線価の評価とはどこか違うのであろうか?
答えは、必ずしも両者の評価は一致しないということなのだ。一致しないというよりも常に銀行の評価が常にかなり小さいと言わなければならない。銀行の担保評価は
土地評価額=評価額×80%×100/120 建物評価額=評価額×60%×100/120
というように評価額をさらに減価してリスクに備えている場合がほとんどであり、評価額=融資可能額とはならない場合が多い。
例えば、担保の再評価前は専門家の評価を行っておらず、今回から専門家の評価をはじめて行うというようなケースは要注意だ。担当者独自の評価が行われている場合、担当者が自分の営業成績を上げるため担保評価が甘くなる傾向があるからだ。甘い担保評価がされていて融資実行され、その後、専門家の評価で再評価された場合、急に担保不足が発覚し、手のひらを返したように銀行の対応が冷たくなる場合があり、注意が必要である。
その場合、銀行は追加担保、追加保証人を迫ってくる場合が多いが、追加で担保を入れても、追加で保証人を入れても融資枠がこの場合は広がることはなく、担保不足を少し解消するだけで債務者にはメリットがあるとは思えない。無駄な担保提供や保証人を増やすようなことは、避けるべきである。早めに専門家に相談し、資産を防衛する行動を起こすことが必要だ。


